最果てのエデン





「―――――『万葉(かずは)』」


男はそれだけ告げると、またあたしに背を向けて歩き出した。
ネオン街へ消えようとするその背中を気がついたらあたしは追いかけてしまっていて。


『万葉』?

それは、今は居ないあたしの大切だった少年と同じ名前で。


―――万葉。


『万葉』と同じ名前? 
そんな偶然あるのかな。だとしたらあたしが感じた懐かしさはもしかして。

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