最果てのエデン
2人でゆっくり寒い冬の山道を下って、バイクに乗った。
風が冷たく頬を刺すけれど、イチくんの背中に触れている部分だけは暖かくて。
伝わってくるような気がする鼓動だけが、どうしようもなくあたしを落ち着かなくさせる。
――俺には、お前が必要だ。
こんなあたしに、なんでイチくんはそんなことを言うんだろう。
繰り返し流れるどうにも答えの出しようの無いそれは、ずっとあたしの頭の中にある。
でも。
それを信じないのは、きっと、違う。
*