青春はこれからだ!!
「うわっあっぶねー」

「どっちが隙だらけだ、バカ
 大体・・風邪がうつったらどうする・・」

「えっ……あー、わるいわるい」

小沢が目をそらす
謝られた気がしない
こうなったら絶対に
手をはなしてやるものか
俺は力いっぱい小沢の腕にしがみついた
そしたら小沢は
ちょっと慌てた様子になった
良い気味だ

「ふみちゃん」

「ん?」

「手、はなして」

「だめっ
お前がちゃんと謝らないのが悪い」

「っ……
お願い、はなして
あ、ほらはなさないと襲っちゃうよ?なーんてww」

「別に構わない」

ただの冗談だと俺は思った
俺の一言で、
いつもは優しいはずの
小沢の目付きが一変した
ゾクッと身体に寒気が走る
ドサッ
重たいものが乗っかってくる感覚
ベッドがギシギシと音をたてながら
少しだけ揺れる
微かなシャンプーの匂い
小沢の顔が目の前にあった
手足がふさがれて身動きが出来ない

「んぁっ…小沢…?」

小沢に耳をかまれると同時に
ビクッと身体が反応した
耳全体に小沢の体温が広がって行く
少しずつ息が荒くなって行く
首筋に吸い付かれると
脳内で電撃がはしる

「くぁっ……バカッなにやって」

「別に構わないんじゃなかったっけ?」

小沢の口元の端に
うっすらと笑みが見えた
身動きの取れない俺は、
唖然としたまま
どうすることも出来なかった

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