青春はこれからだ!!
空っぽになりきれない心のまま
俺は立ち上がり
自然と小沢を









抱きしめていた

小沢は少し顔を上げたが
やはり無視していて
むなしいだけだ

俺はごくりとつばを飲み込んだ

「無視するな・・」

小沢は答えない

「やめろ・・つらいんだよ・・」

「なんで?」

久々というと大げさかもしれないが
小沢の声を聞けた
嬉しい
涙がこぼれないように上を向く
そして
せっかくの問いかけの答えも俺にはわからない

「時間の―」

多分小沢は無駄といいたかったのだろう
が、
俺はすかさず口を開いた

「お前が好きだからに決まっているだろう、バカ」

ふっと笑って小沢がふりむく

「今の本当?」

「あ・・・うそ・・今のはとっさに・・」

耳が一気に赤くなるのを感じた

「じゃあ無意識に好きだったんだー
 お・れ・の・こ・と」

意地悪に最後の言葉を強調する
そしてタイミングの悪いところに桜井が帰還
俺は体をぷるぷると震わせながら
唇をかみ、黙って小沢の頭を机に打ち付けた

ごんっ

部屋に響く鈍い音
だが小沢は幸せそうにわらった

「ハハッふみちゃんかっわいー
やっぱ恋人が離れていくって言う危機感は大切だわーwww
妹に少女マンガ借りて正解!!!
ドゥルッフウウウウウウウウ!!」


後に小沢がどうなったかは言うまでもなかろう
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