君の隣で

君。






ある日の夕方。


忘れ物を取りにきた私は教室へと走る。


ガラガラッ


と勢いよくドアを開ければ、そこには夕日を眺める君の姿。


「……久野くん」


彼は、こちらをチラッと横目で見て、すぐに視線は夕日へと戻された。


「……夕日、綺麗だね」


私が隣まで駆け寄り、そう言うと、君はわずかに頷いた。


あぁ…。なんでこの人は喋ってくれないんだろ。


声を、聞いてみたい。


私は、忘れ物を取って静かに教室を出た。




< 51 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop