Love Water―大人の味―
疑問に思うものの、やっぱり今日はいつもと違った格好をするべきだと、どこかで警鐘が鳴る。
一定のリズムで、絶え間無く鳴る、警鐘が。
いつもと同じように仕事をして、12時ぴったりに同僚とランチに行く。
いつもは外で食べるけど、今日はちょっと仕事が詰まっているから、移動距離なしの社員食堂。
そこで何を思ったのか、あたしはまた不可解な行動に出る。
「あんた、それ食べるの?」
1番の仲良し、梨華(りか)に言われて見つめる自分のトレー。
カツ丼。
うら若き乙女が昼間から食べるようなランチではない。
それをあたしは、黙々と食べる。