Love Water―大人の味―
sorrow―本音を―







そもそも、あたしは部長の帰る時間を知らないのだ。



今まで1度もマンション内で会ったことがなかったのだから、相当遅い時間に帰ってきているはずだ。



……と、見当をつけたのはいいものの、彼はさっぱり帰ってこない。



時刻は午後11時。



部屋の中で待っていら、いつ部長が帰ってくるか分からないからドアの前で待っているものの…。



「眠………」



かれこれ2時間は待っている。



ドアにもたれかかって手元のケーキを見つめる。



なんだか、今更ながらにこんなものでいいのかと後悔される。



部長って、甘いもの大丈夫だよね?



あれ、でも男の人ってケーキとか苦手だっけ?



1度考えだしたら、止まらなくなってしまったあたしのマイナス思考。



……突き返されたらどうしよう。



そうやって考えているうちに、エレベーターの到着を知らせる音が廊下に響いた。




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