夢の時間
恵理子が診察の終わった後も椅子から腰を上げない様子に平田が気付いた

「帰らないの?世間話でもする?」
「・・・」

「どぉした?」
「・・・このまま治ったりしないの?」

ポツリ呟いた恵理子の言葉に平田は??の顔

「ん??」
「このまま病気治ったりしないのかな?ずっと皆みたいに水泳できたりしないのかな?」

「・・・」
「泳いでると思うの ホントは病気なんかじゃないのかもって・・・」

「ごめんね 治してあげれなくて・・・辛い思いばっかりだよね」
「別に・・・平田Dr.が悪いわけじゃ・・・」

「思うのは自由だよ でも現実を見つめる時間も必要 身体、大事にして、人の何倍も今を楽むこと」

平田はそれだけ言うと会話を避けるように診察室の奥に身を隠した

その態度に諦め恵理子もまた診察室を後にした
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