ヌードなアタシ

『……重いでしょ?平気?』


『ぜーんぜん。
こう見えて、俺、細マッチョ』


『…どれ』


脇のシャツをつかんでいたアタシは
おなかの辺りを指でつまむ。


『ぎゃははっ…やめっ、やめろって!
うわぁ!転んじまうだろーが』


『あはは、腹筋割れて無いじゃん』


『マジ?おかしいな…』



笑い声が風に流れていく。




『ねぇ…卓己くんって、
ジェラシー感じたことある?』


『……誰に?』


『友達に』


『……少しなら、な。』


『さっき、奈緒が
アタシに嫉妬してたって言ってたよね…』


『うん』


『………。』


『なんだよ、言いかけて黙るなよ』


『あのとき…
嫉妬心が無くなったから
アタシ、気持ちが楽になったんだ!』


『はぁ?…いきなり、なんだよ?』


ちょうど信号で止まった時だったから
卓己くんは振り向いてアタシを見た。
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