ヌードなアタシ

ショップを出て
少し先の靴屋さんで、スニーカーを買い

ケイちゃんとアタシは
最終目的地に向かった。



『ねぇ、こまち…
ジーンズの写真なんだけど…』


なんだか改まった口調。


『出来ればタンクトップじゃなくて
上半身ハダカで撮りたいの…』



『…えっ?』



何?はだか?……???



『ハダカっていっても背中だよ。

ジーンズはいた後ろ姿。

こまちは髪が長いから
背中もだいぶ隠れると思うけど…』


チラッとアタシを見る…


『どう…思う?』


どう思うって…
そんな急だよ、ケイちゃん。


『クライアント側からは、
別にヌードの指定なんてきてないの。

この話がきたとき…
こまちで撮りたいって思って…

その時、イメージが湧き出たの
中性的な後ろ姿、凛とした横顔…』


『中性って…』


『今しか撮れないと思う。

今のこまちの肌は性的な強さは無いの。
だから、服を引き立てる。

絶対キレイでかっこいい。


でもね、不思議な事に…
恋なんてしちゃうと
すっかり変わっちゃうんだ。

肌自体が…体自体が主張しちゃうのね…』




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