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地球が滅びる前の日。

朝早く、あたしは電車に乗ってあの街へ向かう。



今日は地球が滅びる前の日。

世界が終わる前に会わなきゃいけない人がいる。



金色に輝く朝霧の中、浮かび上がる風景はいつもと変わらず美しい。



佐藤さんは東へ急いだ、一人暮らしのお母さんに会うために。

あやちゃんは西を見つめている、離れて暮らす恋人を迎えるために。

ジャンさんは北に帰った、自分のふるさとを一目見るために。



そしてあたしは南に向かっている。

あの人に会うために。




今日は地球が滅びる前の日。

みんなの心の中には、愛するものへの感謝しかない。




今日は地球が滅びる前の日。

なのになぜなの。


こんなに胸の中に、幸せがあふれているのは。