君の光を想う
色に触れられるとしたら、
オレンジが一番暖かいと思う。
石を真っ直ぐ見つめた直後、ニッコリと笑顔を向けられた。
「嬉しい!もっともっとオレンジが好きになったよ」
笑顔を目にする度にお前が愛おしくて堪らない。
今日は普段とは異なる浴衣な所為か、思わず顔の力が抜ける。
柚の手の内からピンク色の石を手にすると店の人へ二つ分の代金を差し出した。
思った通り、俺が代金を払った事に不満そうな表情が目に映る。
それでも言い聞かせて、お互い携帯に身に付けた。
再び柚の手を握り締めて、歩き出した。