君の光を想う
車内中。
俺の父さんが運転、その隣に母さん。
後ろに三人仲良く並んで座っている。
流れくる曲にのって、皆がノリノリで歌っている。
まあ、俺は別として…
つーか、父さんまで、運転に集中しろよ。
「はい、春」
不意に柚から何かを差し出された。
確かめると一つのチョコ。
口を開けると放り込まれた。
溶ける甘さを味わっていると、
「懐かしいなー、その当たり前の様な動作!」
……動作?
頭にクエスチョンを浮かべた儘、笑顔の聖を見た。
「昔からさ、柚が春へ何かをあげると春は何も言わずに口を開くよな」
柚の方を見ると、
俺と同じように瞬きを繰り返しながらクエスチョンを浮かべている。