君の光を想う



「さてと…今以上に自分を磨いてくっかな、心も磨いて。待ってろよ、倖谷春樹!」



片腕を上げて去っていく。


お前が格好良いっつーの…。


ずっと突っ掛かっていた心の苦しみが消えていく。




会社を出ると入り口付近に二つの人影。




聖と佐倉の姿。




俺の事が余程心配だったのか、浮かない表情を浮かべている。



二つの姿を目にした瞬間、胸に安心感が走った。




いつも見守ってくれていたんだよな。




ごめんな、ありがとう。





その奥に光が見えた。




俺の光。




愛しい存在。





──…柚。



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