君の光を想う
「な、親父。俺また海外に行ってくるわ。今までの事無かった事にして、二人にはもう関わらない。それと柚の親父さん達には今まで以上の待遇な!」
「しかし、祐馬…!」
「そうしないと俺会社継がねーから」
羽井祐馬の言葉に親父さんが怯んだ様に見えた。
「羽井祐馬…」
重かった唇がやっと開く。
「…何だよ」
「俺、ずっとずっと柚が好きだった。今も昔も、変わらない…柚を想う気持ちは」
「分かってるっての……。な、俺もお前みたいに柚の傍に居たとしたら、もしかしたら…可能性はあったかな」
「──…そうだな、今の状況とは違っていたかもしんねー」
そう告げると扉へと進んでいく羽井祐馬。