君の光を想う
柚の方を向くと、星空を眺めながら嬉しそうに微笑んでいる。
風になびく髪も心地良さそうで。
目が合った瞬間、心臓が高鳴る。
「私には、春が必要だよ」
思わず、目を細めた。
そうか。
あの夢の光は、お前だったんだな。
───柚。
「あ、聖!」なんて言いながら財布を片手にバタバタと部屋から去っていく。
見透かされていた。
いつだって、
求めている答えをくれる。
救われてんのは、こっちだっつうの。
俺にもお前が必要。
柚の言葉を胸に刻みながら、
もう一度見上げると美しい闇の儘で。
「……なあ、アイツの前で俺も輝けるかな」
なんて、
その瞬間、
月が答える様に強く輝いて見えた。