君の光を想う
あー…静かな事が、安心に繋がる。
少しの風が木々達の葉や枝を揺らしている。
弁当の封を開けようとした瞬間、背後から物音がした。
誰か、来たのか…
明日から此処で食おうと思ってたんだけど。
ゆっくり振り向くと、女子の後ろ姿。
何故かしゃがみ込み、草の茂み越しから何を覗いている様子。
アレは…同じクラスの佐倉夏子(サクラナツコ)
柚と小さい頃から仲良しで、しっかりしていて柚の姉さん的な存在。
──…しっかりっつうか、昔から番長的な感じだったな。
泣かされた男子は数知れず。
関わらない、そう誓って、視線を逸らそうとしたが遅かった。
目が、合ってしまった。
予感的中かの様に、手招きをされる。
溜め息を吐き捨て、ベンチへ弁当を置くと恐る恐る近寄る。