君の光を想う





あー…静かな事が、安心に繋がる。

少しの風が木々達の葉や枝を揺らしている。

弁当の封を開けようとした瞬間、背後から物音がした。




誰か、来たのか…


明日から此処で食おうと思ってたんだけど。




ゆっくり振り向くと、女子の後ろ姿。

何故かしゃがみ込み、草の茂み越しから何を覗いている様子。




アレは…同じクラスの佐倉夏子(サクラナツコ)

柚と小さい頃から仲良しで、しっかりしていて柚の姉さん的な存在。



──…しっかりっつうか、昔から番長的な感じだったな。
泣かされた男子は数知れず。





関わらない、そう誓って、視線を逸らそうとしたが遅かった。


目が、合ってしまった。


予感的中かの様に、手招きをされる。


溜め息を吐き捨て、ベンチへ弁当を置くと恐る恐る近寄る。







< 75 / 347 >

この作品をシェア

pagetop