妖精なアイツ【完全版】
「きゃ~っ!美味しそう~っっ!!」


桃子は、キラキラと目を輝かせている。


そう、今日は、バレンタインのチョコを買いに来ました。


あげる相手は…お父さん、兄貴…。


「ね!ね!」


桃子が大量のチョコを持って近寄ってくる。


「ん?どしたの。」


「今年はさ、一人だけにあげるってのはどお?」


「…へ?」


「だから、いつも義理チョコとか買っちゃって、本命に、本命って分からないままってあるでしょ?だから、今年の3人は、本チョコひとつ!で行こうよ!」


…本チョコ?
本命チョコの事だろうか?


私は首を傾げる。


確かに、義理とか面倒くさいもんなぁ…。


「と、ゆーワケでっ!買うのはひとつだけね!」


そう言って桃子は、可愛らしいチョコをひとつ手に取った。


…誰にあげるつもりなんだろうか。
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