妖精なアイツ【完全版】
「ナオは、小野田く…」


「それ以上言わないで!!」


言い終わる前に言葉をさえぎられてしまった。


また、顔を真っ赤にしている。


「うん、ごめん。決まってるもんね?」


私はそれだけ言って、自分もチョコを探しに行った。


妖精には、どんなチョコがいいかな。


…って!やっぱ、私、妖精にあげるんだ!


…ってそうだよね。
好きなんだもん。


そういえば…妖精って、チョコ好きだったっけ?


キョロキョロとチョコを見わたすけど、ピンとくるものが無い。


もうしばらく見てみると、バウムクーヘンの前で立ち止まる。



“貴族はバウムクーヘンを食べるって決まってるんだよ”


と、前に妖精は言っていた気がする。


意味は分からないが、つまり、好きって事…だよね?


「これにしよう!」


他にピンとくるものが無いし、これだと思ってしまうと、もうこれだけしか思えない。


極端なのだ。
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