妖精なアイツ【完全版】

告白

あっという間に家に着いて、手を離す。


離さなきゃいけないのは分かっていても、なんだか寂しい。


「じゃ、どうぞ。」


私は玄関のドアを開け、妖精を家の中に入れた。
リビングから声がするので、多分そこにいるんだろう。


リビングのドアを開け、兄貴と染五郎さんと目が合う。


「美希ちゃん、おかえり。…光太も。」


染五郎さんは、妖精も一緒に帰ってきた事を少し驚いた様に見えたが、見ていたテレビに顔を戻した。


「あ、俺、部屋にジュース置いてるから取ってくるわ。」


兄貴が立ち上がり、ドアの前に突っ立ってる私の元に来た。


私にウインクして立ち去る。
気持ち悪いけど、兄貴は、なんとなく察知したのだろうか。


こうゆう感は鋭いんだから、助かる。


「…ありがと。」


そう言うと兄貴は二階に上がっていった。
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