妖精なアイツ【完全版】
「ヒカル―――――!!」


妖精は、私の声に気付き、後ろを振り向いた。
やっと、私が後をつけていたのが分かったんだろう。


「ミッキー。着いてきたの…。桜井先生は?いいの?」


そう言いながら、こちらに近付いてくる。


「染五郎さん、私の家におる…。」


息切れしながら、そう言った。
妖精は少し驚いた顔をしていた。


「兄貴と、染五郎さん…親友らしいから。」


妖精は納得して、私の手を引いた。


「連れてってくれる?」


そう言って、駅に向かった。


白い息が重なるくらいに近かった。



暖かいその手を、離したくないと思う、私の気持ちは…。恋、なのかな。
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