終わりなき想いの果てに
再会
わたしの名前は月島聖羅(つきしませいら)。

平凡な女子高生で、毎日を平凡に暮らしていた。

平凡といっても退屈していたわけじゃない。

毎日それなりに楽しく暮らしていたのだ。

昨日までは――‥





『我が名はディガル。闇の力を操りし者』

昨日、わたしの前に突如現われた異形な男。

まるで夢だったかのようにも思えるけれど、割れたはずの鏡が原形を保って手元にあり、尚且、鏡面が綺麗に磨かれたようになっているのを見れば、やはり現実なのだと思うしかない。

「ディガル…」

そう呟いて、ハッと我に返る。

いけないことだ。

悪魔のような男を想うなんて。


―― だけど…

何故だか分からないけど、懐かしさのようなものが込み上げてくる。

頭では否定するのに、心が彼を求めてる。


―― ディガルは、何をするつもりなんだろう?

闇を操る者だと言ったディガル。

更には、闇の傀儡とも言っていた。

それが妙に引っ掛かる。

両者はまったく別の意味にとれるから。

だって、操るのは自分の意志だけど、傀儡ってことは、操られてるってことになる。


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