終わりなき想いの果てに
出会い
今日、家族と行った旅行先で、古い手鏡と出会った。

それは、蚤の市の出店にひっそりと置かれていたのに、不思議と興味を引き、わたしは店主の言い値で取引した。

アンティーク調の手鏡は、とても美しい細工が施されていたけれど、鏡面は汚れがひどく、その役目を果たすことはできない。

そんな不必要な代物を買ったなどと家族に知られたら、きっと叱られるに違いないと判断したわたしは、こっそりとハンドバックに忍ばせ誰にも見せないと心に決めた。



その手鏡こそが、これから起きるとんでもない出来事の引き金になることなど、ただの女子高生であるわたしには、分かるはずがなかった。







< 2 / 20 >

この作品をシェア

pagetop