黄昏色に、さようなら。

視線の先、


五メートルほど離れた場所には、ダルマさんが転んだ状態でピタリと足を止めた純ちゃんがいる。


その表情は、ひょうひょうとしていて、何を考えているのか捉えどころがない。


一体、何だと言うのだろう?


言いたいことがあるなら、はっきり言ってくれた方がよっぽど良いのに。


ああ、モヤモヤする。


これじゃ、蛇の生殺しだ。


「なに? トイレ行くんじゃないのか? 早くしないと休み時間なくなるぞ?」


って、気になってそれどころじゃない。


聞いてやる。


この不可解すぎる行動の示す意味を、しっかりはっきりと聞いてやるっ。


意を決して、


つかつかと、純ちゃんの前まで歩み寄り、キッとその顔を睨み上げて口を開いた。




< 30 / 100 >

この作品をシェア

pagetop