7つ真珠の首飾り
翌朝わたしが目を覚ました時、太陽が昇りきっていなかったのを見て、いつもより随分早い時刻なのを知った。


しばらく布団の中でまどろむ。
起きてしまおうか、もう一度眠ろうかと考えていた。やがて覚醒してくると、昨夜の風雨の激しさを思い出す。


あまりにもひどかったから、本当に家が倒れてしまいやしないかと心配になったけれど、さすがにそんなことはなかったみたいだ。

だけど瓦の一枚や二枚飛んでいたっておかしくない。もう風は止んだのだろうか。雨が洪水を起こしたり浸水してきたりしていないだろうか。それに海はどんな具合だろう。


気になり始めると、とても眠ってはいられなかった。

布団から出て、出窓を開ける。
雨はもう降っていなかった。風もひどいということはない。

出窓を閉めて、洋服に着替える。寝巻きをたたんで布団の横へ置いてから、そっと部屋の戸を開けた。

誰も起きていないようだった。誰もいない空間の空気は、少しだけひんやりしている。

廊下の軋まない板を選んで進む。階段を降りて、両親の寝部屋を通過。

土間に降りて引き戸を少し浮かせて開き外へ出ると、わたしは海が見える家の正面まで一気に走った。

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