聖夜の夜に……
「ここまで生きてこれた事がもう奇跡だなんて……

私が……ちゃんと産んであげられなかったせいで
あの子はあんな辛い思いを……」

肩を震わせ泣くお母さんの背中をさすりながら、
お父さんが優しく言う。

「母さんのせいじゃないから……
やっと手術してもらえる事になったんだ。

えりに笑って報告しよう」


「成功率が30%だなんて……

手術をさせていいのか、私には分からない」

お母さんのその言葉にお父さんは一瞬だまる。

「でも……

どっちみち手術をしなければ、えりは長くは生きられないんだぞ

先生を信じよう」

そう力強く言うお父さんに、お母さんは黙って涙を流し頷いた。
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