君を想うと~Special event~
「あっ。ちょっと待て、仁。」



車を降りてタタッと走り出そうとするアイツを呼び止めて。



「はぐれたら危ないだろ?」




イヤイヤながらに俺の左手を差し出すと。






仁はニッコリ笑って


「ありがとう。やっぱり慎は優しいな。」


と、俺の左手を小さな手のひらで握り返してくれた。









仁と手を繋ぎながら歩くショッピングモールは少し不思議な感じがした。






女とのデートなら腐るほどしたし、女の好きなシチュエーションやプレゼントだって熟知してるつもりだ。





だけど…





「わっ!!慎、見て!!
プテラノドンだよ??」







仁の喜ぶモノや、興味のあるものは予想もつかない。




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