君を想うと~Special event~
このショッピングモールの中心はちょっとした広場のようになっていて。
小さな泉の隣には大きなクリスマスツリー。
そのまわりはキレイにライトアップされていて、ムード満点。
辺りにはラブラブそうなバカップルがうごめいている。
やっとのコトで空いているベンチを見つけて、仁を座らせると。
カッコ悪いことに、トイレに行きたくなってしまった。
どうする?
仁も一緒に連れていくか?
だけどやっと座れたしな……。
いろいろ考えた結果。
「仁。」
「なあに?」
「俺、トイレ行ってくるから。ちょっと待っててくれるか?」
俺だけが少し離れたトイレに駆け込むことにした。
「うん、大丈夫だよ?
ゆっくり行ってきて?」
そう笑う仁に安心して俺はトイレに駆け込んだけれど。
今思えばこれが間違いのモトだった。