黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】




『ならない。ならないから。』


「………。」


――グイッ


『のわっ!』




私は龍に腕を引っ張られ
龍の胸に倒れこんだ。


龍は私の腰に腕を回し、私は座ったまま龍に抱きしめられてる状態になった。



『ちょっと…!!』


「黙れ、動くな。」


『ーーっ!』



私は龍を引き離そうと、もがいたが、またしても龍に耳元で囁かれ動けなくなった。




龍は私が抵抗しなくなったのを良いことに、腕の力を強めた。





「好きだー…。」

『!!!』


「好きだ、好きだ。」

『ちょ……龍。』



「だから、俺の女になれよ。」





鼓動が速い。

顔が熱い。




たぶん、私は龍が好き。




だけど………




『ごめん。ムリだよ。』


「なんで。」



『決めてるの。友達も、仲間も作らない。
独りで……生きていくって。』





新月の夜に誓った。


月も無い真っ暗な夜に、
独りで生きていくと誓ったんだ。






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