Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
「じゃあ、今日以外に着る機会があれば着てくれるの?」
「ま、まあね」
―あるか、そんなチャンス―
「スージー」
「なんですか?ふぁんた君」
「来週末、新宿近辺のホテルのスイート予約してください。あとバンケットルームも。僕みんなをパーティにご招待します」
ふぁんたはどんと胸を叩いた。
「なに馬鹿なこと言ってるのよ。わかったわよ、着るから!いい加減なこと言わないで」
少々意地を張っていた反省も込め、わたしはそう言って引いた。
「いや、いいんだ姉さん。どっちにしても僕みんなを招待するつもりだったの。僕みんなが大好きだし、姉さんお世話になってるから」
「お金はどうすんのよ!」
「大丈夫、僕貯金あるもの」
「だけどっ!!」