Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
「ねえねえ、何着ていく?」
「私パーティなんて初めて」
「スイートなんて、一回も泊まったことないわ」
「食事のこと考えるとキツイ洋服は駄目ね。ふぁんた君グルメっぽいし」
「あたしなんて前日から食事抜くわ」
「あー、もしもしルームとバンケットの予約をしたいのですが、えっ?いいえスイートですよ、ス・イ・ー・ト」
もはやわたしたちは圏外だった。
―きっとふぁんたは日本のシティホテルの値段を知らないんだ。あーどうしよう―