3ヵ月
第3章 変化
他に聞くことがあったはずだけれど、あれしか聞けなかった。

何処かに何かを忘れたようなぎこちない気持ちのまま一ちゃんからテレビに視線を移し変えた。
一ちゃんは何か吹っ切ったかのように目の前にあるジュースをイッキ飲みした。
片付けが終わったのか一ちゃんのママは帰る支度をし始めた。
「一、もう帰るよ?」
「うん。」
一ちゃんのママはきっと知っていたんだろう。お別れを言ったことを。

「お邪魔しました。舞ちゃん、またね。」
一ちゃんのママとパパは笑顔で挨拶してくれた。明日にはもうサヨナラなのに、そんな事を感じさせない態度だった。
一ちゃん達が帰った後、私は一人考えていた。
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