3ヵ月
高校2年になった四月の初め、千花は彼氏とデートだから久々に一人で駅までの道を歩いていた。
駅のホームが見えてきて、もうすぐだという所で、向こうから一台の車が来た。
そして私の横に止まり運転席の窓を開け、
「学校帰り?」
優しそうな20代半ばくらいの男の人が声をかけてきた。
“この人誰?あたしの知ってる人?”と思い考えていたけど当てはまる人がいなかったので話を進めた。
「帰りだよ。」
「これから暇?」
「うん。」
「じゃあ、乗りなよ。」と言われたので助手席に乗ってしまった。
ナンパと分かっていた。
普通の高校生だったら見知らぬ男に声掛けられても相手にしないだろうし、何されるか、何処に連れていかれるかを恐れて乗ったりしないだろう。
しかし私は心の奥で“何かされたらどうしよう…”と最悪な状況を考えたけど、私なんてどうなってもいいやと開き直り、その場を楽しむことにした。
< 81 / 102 >

この作品をシェア

pagetop