御退散
悪鬼:報告します。屋敷の表にオボロ車が到着しました。


悪鬼とは、妖鬼一族の中の下級の鬼。

オボロ車とは古くなった馬車に魂が宿った付喪神(つくもがみ)で、馬車の前に大きな人の顔がついている。このオボロ車、走行の途中は煙となって消えるため、丹波国から陸奥国まで短時間でいけるのである。


悪路王:来たか・・・通せ

悪鬼:アッキャァーッ!!


やがて、悪路王と鈴鹿御前がいる一室に、ふっと2つの影が現れた。目玉しゃぶりと小池ババァである。

ちなみに見た目は2人ともババァである。


目玉しゃぶり:悪路王様。敵の詳細はこの巻物に記されております。


目玉しゃぶりが悪路王に巻物を渡す。


小池ババァ:それと妖鬼一族の関東城主より悪鬼30匹の援軍がまもなく到着します。

鈴鹿御前:それはまた、武士ごときにずいぶんと大げさだこと・・・

小池ババァ:確実に葬るためと聞いております。

悪路王:だれだっ!!


悪路王が中庭に向かって叫ぶ。すると、上からカラス天狗が2羽舞い降りた。


カラス天狗:カァっ!!この度、武士どもの始末の監視と悪路王様の護衛に派遣されましたっ!!

悪路王:そうか・・・目玉しゃぶりよ・・・悪鬼10匹つける。頼光一行を仕留めて来いっ!!

目玉しゃぶり:お任せ下さい。もし、成功した際にはヤツらの目玉はもちろん、子供1人分の目玉を下さい

悪路王:よかろう。カラス天狗っ!!

カラス天狗:カァっ!!頼光一行は、ココ2、3日はココより南へ5キロほど行った村の宿に泊まるようですっ!!
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