御退散
ツナ:頼光様っ!!助けて下さいっ!!


頼光たちがツナの方を振り向き、仰向けのツナの上に目玉しゃぶりが馬乗りになっている状況を目にする。


頼光:え!?お前まさか・・・

金時:熟女好きだったんでごわす

季武:おまけにそんな熟しきって腐りきったようなババァを・・・

頼光:ま、人間どこかに他人からは変だと思われることを持ってるもんさ

ツナ:言ってる場合ですかっ!!だいたいこの状況が、そんなに色っぽい状況に見えますかっ!!

頼光:見えるわけねぇだろ。十二単(じゅうにひとえ)美人ならともかく・・・

金時:オンボロ着物のババァじゃあねぇ・・・

季武:色気もそっけもありません。

ツナ:言ってないで、早くこの状況なんとかして下さい・・・

頼光:冗談だよ・・・金時っ


金時が軽くうなずき、ツナの上に馬乗りになっている目玉しゃぶりに近づく


金時:おい。ツナ殿がいくら美少年だからと言って、それはないでごわそう・・・


金時が目玉しゃぶりに手をかけようとした瞬間っ!!

素早い身のこなしで、目玉しゃぶりは後ろに飛び退いたっ!!


頼光:あの動き・・・なんちゅうババァだ

ツナ:何を言ってるんですかっ!!あれは妖怪ですよ

金時:季武どん。何か知ってるでごわす!?

季武:おそらく「目玉しゃぶり」です。

ツナ:目玉しゃぶり!?

季武:伝承では、ある橋を通りかかった男性が女に箱を渡され、絶対にあけてはいけないと言う条件のもと橋の下にいるもう一人の女に渡すように頼みます。

頼光:それで!?

季武:ちゃんと渡せば何もないのですが、忘れて橋を通り過ぎたり、箱を開けたりすると、原因不明の高熱をだし、死んでしまう。それらの死体に共通するのが目玉がなくなっているということなんです。
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