時雨の奏でるレクイエム
闇の幻獣王ウラド
ラディウスとクルーエルは、アルミナに呼ばれて謁見室に来た。
台座にはアルミナが姿勢を崩して座っており、3人の他に人はいない。

「先に、一つ聞きたい」

ラディウスは、挨拶などを全て抜かしてアルミナに用件をきりだした。

「応えよう」

「なぜ、王国を攻める?今まで友好的だったのに」

「簡単じゃよ。このままでは王国の第一王子のせいでフェアルーンが滅びてしまうからの」

「なんだって!」

ラディウスは今にもアルミナに噛み付きそうなくらい激昂した。

「兄さまが、フェアルーンを滅ぼすだって!?」

「ラ、ラディウス……落ち着いて」

クルーエルはそっとラディウスの袖を掴むと、なだめる様にじっとラディウスを見つめた。

「……ああ、悪い」

ラディウスは、なにかに気づいたようにはっとすると、バツの悪そうな顔をして、謝った。

「どういうことだ。兄さまがフェアルーンを滅ぼすなんて」

「簡単じゃよ。王国の第一王子が呼び出そうとしているのは、光の幻獣王でなく、闇の幻獣王ウラドだからの」

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