放課後姫とヤンチャな騎士
翌日、乃里子は平井カンパニーを訪れていた。


『学園内にある店舗が売上好調の為、売場を拡大したいと考えている。
ついては平井カンパニーで打ち合わせがしたいから、時間を取ってほしい。』


乃里子は理事長である父から、平井カンパニーの社長に話しを通してもらったのだ。


もちろん楓の父親に会うための口実だが、こういう時こそ権力を利用しなくてはと乃里子は思っている。


乃里子の父、晶幸（あきゆき）も新聞部の活動に賛同してくれている。


乃里子に甘いと言えばそれまでだが、乃里子を信頼しているからこそ無理な願いも聞いているのだろう。


乃里子はお礼の代わりに、しばらくは父に優しくしようと思っている。


「いらっしゃいませ。」


平井カンパニーの受付で名前を告げると、しばらくお待ち下さいとロビーのソファーに案内された。
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