《実話》道〜私がつけた足跡〜
『お父さん…』

『お母さん…』

『パパ…』

『ママ…』

みんながそれぞれに心の中で叫ぶ。

…求める。

真っ暗になった部屋で『家族』を捜す。

何十人と子供がいる中で、大人は一人か二人…

到底、淋しさを埋めるには間に合わない。

だから、心の中で求め続ける。

捨てられたと思ってても、見放されたと感じていても、それでも求め続ける存在。

それが、家族…親。

口にはしないけど、いつも心を占めている存在。

どんなに思っても、求めても手が届かない。

だから子供同士で、傷を舐め合いながら、癒える事のない傷を癒していた。
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