《実話》道〜私がつけた足跡〜
少ない荷物を持って、幼児の先生と一緒に大きなグラウンドを横切り、『学童の館』がある大きな建物へ足を進める。

(もう、叩かれなくてすむ。)

そう思うだけで、夢咲の心の中に、小さな花が咲く。

大きな建物に足を踏み入れ一つ扉の前を通り過ぎる。

そして、二つ目の扉の前で足を止める先生。

「今日からここが夢咲の家やから。」

夢咲の目も見ないで低く冷たい声で言い放つ。

顔を見なくてもわかる鬼の形相の先生。

その声に夢咲の心は一気に凍りつく。

恐怖で怯える瞳…

荷物を持つ手が震える…

コワイ…怖い…恐い…

夢咲の思いなど知らない先生はドアノブに手をかけ、キィーっと音を鳴らし扉を引く。
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