《実話》道〜私がつけた足跡〜
痛みで蹲る夢咲を余所に冷たい言葉が飛んでくる。

腕を組み、夢咲を見下ろす里奈ちゃんの瞳は、昨日までの優しい瞳じゃなく、冷たい氷のような瞳だった。

「…でも…今日は…里奈ちゃんの担当…」

そこまで言うとまた夢咲のお腹めがけて、正面から蹴りが飛んできた。

「ゴホゴホゴホッ…」

また息が止まる。

痛みの中で、夢咲の瞳からは大粒の涙が零れていく。

ゆっくり体を起こし、担当でもない朝食の支度をする。



この日から夢咲は毎日のように、ご飯の支度をさせられた。

唯一、玲ちゃんの時だけは玲ちゃんがご飯の支度をし、夢咲は休めた。

だけど、心の中で何時また暴力が奮われるのか、わからなくて、怖くて…

ビクビクしながら毎日を過ごしていた。
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