《実話》道〜私がつけた足跡〜
幼稚園に入園した時には、更に活発な子と化していた。

施設の先生の言う事も、幼稚園の先生の言う事も聞かず、何よりも外で遊ぶのが好きな元気な子に育っていた。



だけど…いつからだろう?

夢咲の顔から笑顔が消えたのは…



幼稚園の年長にもなれば、ある程度の記憶はある。

覚えていることは、いつも泣いていた事…

ただ、ずっと瞳から溢れる雫を流していたんだ。



いつかはわからない。

だけど、なんとなく覚えている頬に走る衝撃。

『戻ってきなさい。』と言う先生の言葉を無視して、夢咲は外で夢中で遊んでいた。

そして、遊び疲れた夢咲は笑顔で『館』に戻り、重たい扉を両手で引く。
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