《実話》道〜私がつけた足跡〜

扉を開け、一歩中に入るとそこには鬼の形相で仁王立ちの髪の長い先生。

次の瞬間、頬に衝撃が走る。

引っ張叩かれた勢いで壁に頭をぶつけた。

何が起こったのかわからないが、瞳にはいっぱいの涙。

叩かれた右頬を押さえ、大声で泣き叫んだ。

泣けば泣くほど、平手の嵐。

痛みが麻痺し、泣き叫んだせいか頭がクラクラし始める。

それでも涙は止まらない。



いつからか、先生を怯えるようになっていた。

此処には『居場所』がないことを、幼いながらに悟った。

先生は素直に『はい』と返事する子だけを可愛がっていた。

夢咲みたいに言う事を聞かない子は暴力で抑えつけた。