教室バロック



「 エクセレントな出来栄えですよ!
皆サン!! 」


姿勢を高くしたり、低くしたりして
その様子を激写する、
英語教師のMr.スミス


『 センセー!
スカートの中とか撮らないでよ〜?!』と

同じ様に
携帯でフラッシュを焚いていた女子が言い

『 英国紳士にナニをいう〜 』と
漫才師みたいなポーズでおどけて見せた




「 ねえ 花さん
本当に、二学期でスミスセンセー
国に帰っちゃうの? 」


「 うん〜

元々、産休の田村先生のいない間に
来て下さってたからね 」


「 収集した、お笑いのDVD
全部持って帰るのかな 大変そ〜 」


「 モチロン!!全て私の宝ですから! 」


皆 ゲラゲラ笑って
ひとしきり撮影を終えると
校舎の中へと走って行く





よく晴れた、空の下

食い物の出店をやるクラスのテント達が
広いグラウンドを埋め
少しづつ形になって来ている


その向こうに見える校舎の窓には
自分のクラスを宣伝するポスターが貼られ



最上階
本番前日の意気込みが伝わる

初期に較べると
かなりまとまって来た、軽音部からの音が
開いた窓から聞こえて来ていた



前は聞くたびに

なんともいえないキモチになっていたけど



" 明日、見に行ってみようかな "



そんな感じに、変化し始めていた







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