教室バロック





「 まさか… だってあいつ



―― 今日だってこの後みんなで
空哉や、山瀬や、比奈村…

写真やら、出店の食い物持って
見舞い行こうって話してて…

それに、そんな抜け出すなんて
…だいぶ体だって痩せてたのに…
どこにそんな体力あんだよ?! 」




病院に
問い合わせの電話をかけていた花さんが
ボタンを押して、手元を降ろした



「 ―― 電話じゃだめだね
何も教えてくれなかった…

…ちょっと父に、電話してみるよ 」


親指を何度か動かし
再び花さんは、携帯を耳にあてる




「 …俺も、もっと詳しく、
佐野に聞いてみるわ 」

キモノの袖から 那智も携帯を出した





< 228 / 287 >

この作品をシェア

pagetop