教室バロック





「 ……のか 」




小声のつぶやきに、教室の中が
たくさんの疑問譜でザワつく





「 …真木、やらんのか 」



「 ――― え? 」



「 …どうせ、お祭り騒ぎの筆頭は真木だろ

やるならとっととやれ
三十分じゃ、間に合わんだろ 」





「 …サンキュー!! 乾先生!!
   やんぞ オマエら!! 」




わあッと歓声があがり
皆、机の中や、ロッカー
各自用意していた飾り付けを持ち
一斉に教室中に散らばる




「 …静かにだぞ 静かに

隣は授業、やってるんだからな 」



「 は〜い!!
先生も座ってないで
手伝ってくださいよ〜! 」



乾は佐和子軍団から
教室の真ん中に引っ張り出され
飾り付けのモールの端を持ち
最初はシブい顔をしていたけど


だんだん
デコレーションのセンスにまで
口を出し始めて、
結局一番、クラスの中で、張り切っていた








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