gently〜時間をおいかけて〜
もしかしたら…航はあたしにレポートを届るために、学校にきたのではないだろうか?

そうなると、全てのつじつまがあう。

航はあたしのために、テーブルのうえに置きっぱなしだったレポートを届けにきた。

そしたら、あの結果である。

「――航…」

ペタッとへたり込んだ膝から伝わるのは、冷たくて固い床の感触だった。

あたしは、何てことをしたのだろうか?

航はわざわざ学校までレポートを届けにきたのに、あたしが三島くんと一緒にいるところを見てしまった。

ちゃんと後を追って訳を話せばいいものの、三島くんに腕をつかまれたからできなかった。
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