gently〜時間をおいかけて〜

イルミネーションの街中を通り抜け、ようやく我が家のマンションにたどりついた。

もう、疲れていた。

三島くんは、ちゃんと風見さんのところへ行ったのだろうか？

彼女のところへ行って、謝ったのだろうか？

寂しい思いをさせて、悪かったって言っただろうか？

そう思いながら、あたしはカバンからスマートフォンを取り出した。

当然、着信はなかった。

航からの連絡ももちろんきていない。

電話帳から三島くんの名前を出すと、削除した。

あそこまで言ったんだもん、もう何もこないよね。

そう思いながらあたしの部屋に行ったら、
「――あっ…」

そこで見覚えのある姿を見つけた。