gently〜時間をおいかけて〜
「――さて」

時間が流れるのは、早いものである。

もう大晦日まで後1日となった。

明日は大晦日。

明後日は、年が明ける。

「大掃除しなくっちゃ」

窓を開けて、掃除の準備をする。

隅から隅まで掃除しよう。

そう思いながら机の引き出しを開けた時、
「――あっ…」

懐かしいものがそこに入っていた。

いつか航と撮った、プリクラがあった。

冴えない顔をしたあたしの隣で、航は笑っていた。

「いなくなっても、プリクラに写っているのは変わらないんだ」

プリクラを見ながら、あたしは呟いた。
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