gently〜時間をおいかけて〜
gently2〜プリクラ〜
目を開けると、カーテンのすき間から朝の光が差し込んできていた。

暗闇になれた目には、其の光は少しキツい。

今日は土曜日である。

本当はもう少し眠っていたいところだけど、そうは行かない。

何故なら午前中の1限だけだけど、講義に出ないと行けないからだ。

躰を起こしてふとんから出ると、
「――寒ッ…」

冷たい空気があたしの躰を包み込んだ。

11月だもんね。

そりゃ、寒いか。

骨の随までに染みそうな寒さを感じながら、あたしは下に視線を向けた。

そこには、来客用のふとんの中で眠っている航の姿があった。

あたしの息子である、未来の世界からきた航がすぐ目の前にいた。
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