いつかのMerry Xmas
酔ってないと、会話もスムーズだ。

「うっそー。
 こんなときまで打合せしてるんですか?
 本当、先輩たちのバンドって真面目ですよね、感心しますっ」

いつの間にかやってきたさやちゃんが、興奮気味にそう言った。

「そう~?
 でも、一番人気はやっぱり、イチ――怜一郎のバンドじゃない?」

「あの黄色い歓声は、うちのバンドじゃ引き出せないな」

伊勢も、冷静にそう言った。
イチローのバンドは、メンバー皆に華がある。メンバー全員昔からバンドを組んでいたこともあり、技術力も高かった。

それは承知の上で、うちのバンドは堅実に練習に取り組んで、三年間でここまで来た。


同情票があるにせよ、トリが取れるくらいに。
< 49 / 83 >

この作品をシェア

pagetop